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産業廃棄物手続きがおすすめな理由とは

今回は行政書士実務の話として自分が開業以来特化してきた「産業廃棄物の手続きの今」についてお届けしたいと思います。

もう少し前になりますが、2011年の4月、産業廃棄物の手続きをしている行政書士に大打撃を与えるとある改正がありました。

それは簡単に言うと、許可が必要な自治体を減らすということ。産業廃棄物を運ぶための許可、収集運搬業は廃棄物を積み込む場所と持っていく先の場所、それぞれを管轄する自治体の許可が必要でした。

たとえば神奈川県全域のゴミを集め、東京にもっていく場合、神奈川県、横浜市、川崎市、厚木市、相模原市、そして東京都の許可が必要でした。ところが、改正によって、神奈川県と東京都の許可をとればいいことになったのです。

これは事業者にとっては非常にありがたいでしょうが、我々には大打撃です。単純に仕事が減り、報酬が減りますから。
産業廃棄物収集運搬業の旨みのひとつは、間違いなくこの複数自治体の受注があることでした。

開業して最初に関東全域のお仕事をいただいたとき、「やはりこれだ!」と思ったものです(笑)
ゴミも減っていくでしょうし、産業廃棄物の手続きについて行政書士にとっては先細りな業界なのでしょうか?

私はそう思いません。

産業廃棄物業務が有望な理由とは

産業廃棄物は建設業、古物商、運送業といった隣接許認可との相性が非常にいいです。
実際に当事務所でもこれらの許認可から産廃のお仕事を頂いたり、その逆もけっこうあります。
そしてはっきり言って、産業廃棄物関連のお仕事をされている方はコンプライアンスなど「雑」な事業者がとっても多いです。
そもそも産業廃棄物でないものを扱ったり、必要な書類、手続きを備えていなかったり、実際に現場に行くとありえないほど適当(な事業者が多い)。

しかし一方で間違いなくコンプライアンスの徹底は必要になっていますし、罰則もどんどん厳しくなっています。
そして消費者の環境への関心も高まり、産廃処分工場へのツアーは大人気。

この間に入れるのが行政書士だと思っています。

書類作成はある程度慣れればそれほど難しいものではありません。
ですが、行政指導になってしまった場合の対応や適正手続きへの管理体制の構築、ほかの事業者との差別化の提案としてのコンプライアンスや優良性評価基準の導入など、お客様に行政書士として提供できる価値は書類作成にとどまりません。
行政書士は書類を作成しているのでなく、お客様に価値を提供しているはずです。

改正が多い=顧問契約につながる

上記の改正だけでなく、この業界は法改正が非常に多いのが特徴です。

近いところで言えば水銀含有産業廃棄物の品目変更だったり、特定有害産業廃棄物の届出だったり。

新しい手続きが必要になることもあれば、運用面で変更しなければいけないこともあり、事業者さんのフォローは非常にニーズがあります。
つまり顧問契約につながりやすいのです。

こうした視点を持つことが、これからの産業廃棄物手続きの行政書士の関わり方として非常に大事なのではないかと思います。
そしてこの仕組みをうまく作れれば、スポットが多いと言われる行政書士業務でも、継続収入を得ることが可能になるのです。

コンサルティングに適している

行政書士に限らず士業はコンサルティングができるようにならないとAIに取って代わられるなんていわれています。

そしてこの産廃業に関する仕事はコンサルティングに非常に合います。
用地の選定や施設の選定などからコスト削減、財務面でのサポート、場合によっては事業承継・・・

関連法も含め制度の運用面でもコンサルティング能力があれば非常に重宝されます。
都市計画法や環境条例など関連する法律が多いので、法的素養からのコンサルティングのアプローチが有効なんです。

以上、今回は「産業廃棄物手続きの今」ということで、全体的なお話をさせていただきました。

もっと細かいところは行政書士の学校で行なっている
行政書士実務セミナーどんと来い!シリーズでもお伝えさせていただきます。

これからもほかの業務について専門特化している先生方のインタビューもしていきますのでどうぞお楽しみに。

ABOUT US

石下 貴大行政書士の学校 校長
1978年栃木県生まれ。立教大学法学部卒業。 2008年に行政書士石下貴大事務所を銀座で開業。 2010年業務拡大につき行政書士法人GOALに組織変更。 産業廃棄物関係や建設業、古物商、運送業の許認可を専門に多数の実績をもち、単に手続きをするだけでなく、法令や制度の改正やコンプライアンス経営など許可取得後も成長していける身近な相談役であることを目指している。 趣味はサッカー。高校時代は栃木県優勝実績もあり、スピードと体力には自信あり。