魚のない池でいくら釣ろうとしても魚は釣れません、
業務の幅が広いのが行政書士の特徴ですが、だからこそどの業務をやっていくのかを決めるのはとても大事。
一般的には市場の大きさ、他の業務との関連性や業務の手続きの継続性、工数と報酬の関係を見ますが、特に大事なのは業務の将来性でしょう。
例えば私が開業したときには「環境系」というキーワードを考えました。具体的には産業廃棄物やリサイクル系の許認可です。
これからゴミ自体は減るかもしれないけど、新たなリサイクルシステムも生まれるでしょうし、環境ビジネス全体で考えれば既存市場も大きく、そして将来性もあるだろうというのは素人ながらに間違いないと考えたからです。
ではこれから伸びると思われる業務は何でしょうか?
これから伸びる業務の特徴
機械化、自動化と言われる中で、一つの特徴としては「機械に出来ない仕事」、「機械が苦手な仕事」をあげることができると思います。
政府もデジタルファーストを掲げ手続きのオンライン化を進めています。
これまで以上に手続き業務自体は大きく変化していくでしょう。
一方でRPAやAIに馴染みにくいものもあります。人の心に関するものや未来についてのものです。
決められたプログラムの中で最適解をスピーディーに導きという点については我々は厳しいでしょうが、共感するとか、一緒に課題を見つけ出し解決していくとか、未来の計画を作るとか、人の心に寄り添うようなものは今後更に伸びていくでしょう。
事業承継はチャンス
現在、中小企業の社長の実に64%以上が60歳を超えていると言われています。
深刻な後継者不足が既に起こっているのです。行政書士業界でも平均年齢が60を超えていますが、同じように「たたみ方」を心配されている先生は少なくありません。
従業員や取引先に迷惑をかけたくない、でも、子供は継いでくれないし、社内に適任と思われる方もいない。相談できる人もいない。
つまり、市場はあって、しかもこれから更に拡大していきますが、相談できる人の数が圧倒的に少ないので、チャンスでしかない業務といえます。
しかし、ブルーオーシャンだからこそできる人も少なく、業務の仕方を教わるのも難しいのが現状です。
そこで行政書士の学校では行政書士として事業承継業務を行うほか、顧問契約にもつなげている赤沼先生を講師に迎え、しっかり勉強できる機会を作りましたので是非興味のある方はこちらにご参加くださいませ。
補助金の事業計画書はAIには書けない?
AIは過去のビックデータの中を用いて融資額を決めるとかは比較的簡単だと思いますし、フィンテック業界では近くこの分野がスタートすると思っています。
月次や決算を見ればこの会社にかせるならいくらって合理的な数字を出せそうだからです。
しかし補助金の場合には過去というよりは未来、新しく始めることや設備投資によって売上を上げていくという話なので、そもそもどの補助金を活用するかから、過去だけでなく未来へ自社の強みなどを考えつつ組み立てる必要があります。
その意味で補助金業務は今後もっと伸びると思っています。
補助金は時代の流れの中で国家施策に基づく予算によって変化していきます。毎年変わっています。
新しい情報をインプットし、お客様の課題を考えていく中で使える補助金を探し、いかにその補助金を活用することで売上を上げていけるか、どんな設備投資が良いのかなどを市場調査をふまえて落とし込んでいくのは、経営者の右腕となるべき士業に期待されることだと思います。
補助金についても東京と大阪で過去5回を開催してきた補助金マスター講座を開催させていただきますので、新しい武器を身に着けたい方は是非チェックしてみてください。
他にも人の心に寄り添うものとして相続、遺言、後見業務は伸びるでしょうし、許認可でも新しいものはこれからも必ず生まれてきます。
また機械化によって効率化した中で出来た時間でコンサル的なアプローチができるようになるのもとても大事になってきます。
間違いなく行政書士の在り方は変わっていきますが、しっかり純美をすることができればチャンスは広がりますね。