企画執筆協力させていただいた「経営参謀としての士業戦略~AI時代に求められる仕事」という本が先日無事に出版され、アマゾンでベストセラー1位をいただきました。
帯にはAI時代に食える士業で有り続けるためのバイブルとありますが、士業に限らず幅広い人に手にとって頂ける内容になっています。
行政書士が経営参謀になるということ
当然ながら行政書士にとっても有用な本といいきれますが、その理由は行政書士は経営参謀になっていく必要があるからです。
単純な手続き業務がオンライン化、簡素化していく中で、行政書士の在り方というのは変わっていかねば生き抜いていけないと考えています。
行政書士はニードが発生してから仕事になることが一般的です。
会社を作りたい、建設業の許可を取らなくちゃいけない、相続で困っている・・・
そしてそれらは面倒だから、わかりにくいから、依頼をいただけるわけですが、簡素化し、オンライン化すれば本人申請も増えるでしょうし、AI等による自動化も一定のレベルでは行われるでしょう。
今後の士業界の流れはコンサルティングとテクノロジーだと思っていますが、経営参謀になるというのはコンサルティングができる行政書士になるということです。
経営参謀になるとできること
僕が経営参謀になるということを意識し始め、実践していく中で変わったことがいくつかあります。
- 行政書士に難しいと言われる顧問契約が増えた
- 高単価のコンサルティング契約を受注できるようになった
- 役員就任の打診が増えた
また、体内的なことでみると、一般的に修行したら独立するこの業界で、法人にして以来、地元に戻ったというケースを除くと実質的にうちをやめて独立したケースがなく、長く働いてくれている中で戦略的に組織化できてきているということをあげられます。
期待していた人が辞めてしまうとそのポジションの人を再度育成しなければならないわけで、辞めるのが前提の行政書士事務所は徹底的に標準化し、属人性を排除した工場タイプの事務所が出来上がるわけです。
うちの事務所では業務チームごとにリーダーとプレイヤーがいるわけですが、プレイヤーもメインとサブでチェック機能をリーダー以外にも持たせることでリーダーがマネジメントに時間を使えるようにしているわけですが、これは辞めないことが前提のモデルであり、逆に言えば辞めない組織作りができるということはその点でも経営参謀としてアドバイスができるようになるということです。
社長は孤独
よく言われることですが社長は孤独です。
アイデアも湧き、実行力や営業力はあるけれど、もっとアイデアをブラッシュアップする壁打ちの相手だったり、やりたいことができたときのマイルストーンの置き方やプロジェクトマネジメントなどを任せられる人を求めています。
重要だけど緊急でないことが大事なことはわかっていても、社長はやることが多すぎてなかなかそこに着手できない。だから右腕になれるような人がほしいのです。
そこにこそ、許認可や設立で入っていきながら経営参謀として社長に寄り添っていける行政書士が必要なのだと思います。
よくある仕事が奪われるという驚異の話だけでなく、そういう時代にどうあるべきかについて実例を交えて具体的な方策を示した本なので、是非興味がある方は手にとって見てくださいませ。