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行政書士試験に合格したらやるべきこと

今年も残すところあと僅か。
11月に行政書士試験を受けた受験生の皆さんは、ほっとしながらもどこか落ち着かない気持ちのまま、お正月を過ごす方も多いかもしれませんね。

行政書士試験に受かったらその後どうする?

ところで、行政書士の試験に合格した後、登録費を払い、会費を払い続けている人はどのくらいいると思いますか?
今現在およそ4.7万人です。

地域でいうと、東京、愛知、大阪、神奈川の4都府県で全体の4分の1以上の登録があり、都市部での競争は非常に激しいことがわかります。

行政書士は国家資格であり、独占業務を与えられ、国から守られていると言えますが、規制緩和が起きれば、法律が変わり、制度が変わることも十分にあり得ます。
さらに今後は、ブロックチェーンやAIによる影響も無視できません。
待っていれば仕事が来るというレベルではなく、常に進化し続けなければ、仕事をとるのは難しい、そんな状況下でも行政書士は増え続けているのです。

行政書士とほかの士業は何が違うのか?

行政書士が他の士業と比べて何が異なるのでしょうか。
それは、何よりも合格後だと思います。
他の士業では、法廷研修や実務経験があるし、必要なのですが、行政書士は実務経験を積むことなく開業できる、というより開業せざるを得ない状況なのです。
そもそも行政書士の求人はほとんどありません。
(だからこそ、このメディアでは行政書士法人の求人は今後も積極的に掲載していきます)

そして、試験に合格するために必要な知識と実務で必要な知識は大きく異なり、行政書士試験に合格しても、実際にどうやって仕事をするのか、どうやって業務を進めていくのかは別問題なのです。
そういった状況を踏まえ、この「行政書士の学校」を作り、それぞれの業務に特化している先生方を講師に迎えて実務を実践的に学べる場を提供しようと思ったのです。
それが行政書士の学校です。

とはいえ、特に都市部では行政書士法人も増え、求人もないわけではありません。

一番おすすめの開業方法は?

私自身は、合格後即開業ではなく、事務所を探す補助者や勤務で経験を積んでから開業したほうがいいと考えています。
事務所を探すときには、事務所それぞれ方針があるので、試験に合格した段階でどんな業務を今後扱っていきたいのかをイメージすると良いでしょう。

「そもそもどんな業務があるかについて知らない」
そんな時お勧めしたいのが、行政書士開業セミナーです。
行政書士の学校でも、2019年の年間スケジュールを発表しましたが、2月23日に開業ダッシュセミナーを予定していますので
ぜひスケジュールに入れておいてくださいね(笑)

これに参加してみると、百聞は一見にしかず、現役の行政書士の話を聞くことができます。

できるだけ色々な現場の話を聞き、その上で自分の目指す業務だったり、自分に合った営業方法などを具体的にイメージすることが大事だと思います。
長期で勤めるのももちろん、将来の独立に向けて、期間を定めて専門が異なる事務所で戦略的に経験を積み、それぞれの事務所のいい点を自分に生かしていくことで独自の価値を生むことができるかもしれません。

そして、やはり開業する前にはできるだけ社会人経験を積むことをお勧めしたいと思います。
社会人として得られた経験は、やはり行政書士としても有効ですし、大切なことだからです。
このことについてはまた別の時にお話しします。

一般的な開業方法とは?

それでは、一般的な開業の方法としてはどのようなものがあるでしょうか。
大きく2つに分けられますが、一つは、事務所を借りるもの、そしてもう一つは自宅で開業する方法です。
それぞれにメリットデメリットがあるので一概にはどちらがいいとは言えません。

共同事務所は1つの重要な選択肢

最近では、共同事務所という形態も増えてきています。
行政書士同士であったり、弁護士や司法書士、税理士や社会保険労務士といった他士業と共同で事務所を借りる形態です。
それぞれの強みを生かしてワンストップサービスを提供できつつ、事務所家賃や光熱費、水道代などの経費を分担できるという利点があります。
事務所の独立性や個人情報の保護など注意すべき点はあるが、メリットは非常に大きい形態であるし、株式会社設立であればその後、社会保険などの話が出ることもあるし、就業規則を作りたいという相談をいただいた時もその場で対応できます。
それが事務所としての付加価値となり、お客様に選ばれる理由にもなるのです。

また、開業当初から「一人じゃない」というのも大きいと思います。
行政書士として開業すると予想以上に孤独です。
特に開業当初で仕事もほとんどなく、そもそもわからないことだらけの時にずっと一人でいるのは厳しいと思います。

そういった意味でも、話し相手がいるというのはとても助かるものです。

共同事務所の注意点

メリットの多い共同事務所にも注意すべき点はあります。
経営上は別でも共同で事務所を運営する以上、信頼関係があることは必須です。
また、それぞれの事務所が上下というよりは横並びである以上、しっかりとしたルールを定めることが非常に大事です。

トップダウンでないというのはプラスでもあるが、マイナスにもなりえます、そもそも人それぞれ考え方も習慣も異なるものであるのだから、指揮命令の関係ではなく、それぞれが横の関係でいるためには、明確で細かなルールを定め、それぞれが責任を持って守ることが大事なのです。

また、固定費を分担しているため、急に抜けられてしまうのもリスクとなる可能性があります。
契約期間や出る時の条件などについてもしっかり事前に明示しておきましょう。
こうしてみると、共同事務所はある意味、士業同士の結婚のようなものかもしれませんね。

次回は行政書士の実務のポイントをお伝えします。

ABOUT US

石下 貴大行政書士の学校 校長
1978年栃木県生まれ。立教大学法学部卒業。 2008年に行政書士石下貴大事務所を銀座で開業。 2010年業務拡大につき行政書士法人GOALに組織変更。 産業廃棄物関係や建設業、古物商、運送業の許認可を専門に多数の実績をもち、単に手続きをするだけでなく、法令や制度の改正やコンプライアンス経営など許可取得後も成長していける身近な相談役であることを目指している。 趣味はサッカー。高校時代は栃木県優勝実績もあり、スピードと体力には自信あり。