行政書士には単価の高い業務というものがあります。そしてそれらは言い換えれば高難易度業務と言えるでしょう。
みんなができるわけではないから単価が高いからです。
誰でもできるものは安くなるわけです。例えば車の名義変更や車庫証明ですね。
しかし単価が高いのは魅力ですが、考えるべきはその工数です。
利益率の良い行政書士業務について
忙しいのにあまりお金が残らない。
暇でお金がないよりはマシですが、忙しくてもお金にならないのもつらいものです。

単価が小さいものを大量にできる体制があれば売上も上がりますが、それだけの体制作りも大事です。
マネジメントの問題がでてきますので人をあまり雇う事を考えていない人は単価が高いものを扱ったほうがいいでしょう。
単価が高い業務とは
一般的にですが、行政書士業務で単価の高い業務と言えるのは、開発許可、産廃の施設関連、医療法人や社会福祉法人などの特殊法人、運送業関連の許可あたりでしょうか。
例えば産廃の施設関係で中間処理業や施設設置許可をうけると2~300万の報酬になります。
しかしここで考えなければいけないのが「工数」です。
つまりその業務にどれだけの時間がかかるのか。
大切なのは時給
先に上げた産廃の中間処理ですが、通常2~3年かかります。そう考えるとたとえ300万円の報酬だったとしても、すぐに実入りはないですし、分割で請求するとしてもそれほど時間で報酬を割ると旨味が多くはない業務と言えるかもしれません。
つまり時給があまり高くないのです。
一つの案件にどれだけの労力、時間がかかるのか?
この視点はとても大事です。が、あまり意識している人は多くありません。
たとえば調査業務や相談業務の際には自分の時給を設定しなければなりません。
産業廃棄物の中間処理では事前に現地調査や役所との交渉をした上で、許可が取れるかどうかが決まります。つまり業務として成立するかどうかの前に作業が発生しています。
ここをちゃんとお金をいただかたなければ、最悪の場合、タダ働きとなってしまいます。
しかしプロが実際に時間を費やしている以上、調査費として工数に見合ったお金を請求すべきであり、その際の基準が時給です。
時間あたりの単価を上げる
たとえば10万円の宅建業の免許申請に10時間かかったとします。
仕事に慣れてきて、業務効率化をしたとして5時間でできるようになったとします。
当然後者のほうが自分の価値は上がるわけです。時給が上がっているわけです。
なので業務効率化を徹底し、実務経験を重ねるのはとても大事なわけですが、もっと根本的なところとして、業務ごとの工数と単価について考えることが大切です。
つまり、かかる時間が少なく、単価が高い=利益率の高い業務とは何でしょうか?
利益率の高い業務
ここまで書いてきて補足というかいいわけですが、これは僕が過去に経験したもの、聞いたものの中で書いています。
なのでもっと利益率高いものがあるかもしれませんが参考までということで。
ずばり、個人的に利益率の高い業務といえば
①創業融資業務
②補助金業務
この2つです。
創業融資業務で多いのは着手5万、成功報酬3~5%かなと思いますが、1000万の成功報酬であれば50万円となります。
ここにかかる時間は慣れてくれば他の50万クラスの許認可と比べると圧倒的に少ない時間でできます。
また、補助金業務はどの補助金をやるかにもよりますが、例えばものづくり補助金で考えると平均が成功報酬15~20%くらいかと思います。
最大1000万円ですから満額採択されればそれで200万の報酬です。
上記の産廃の中間処理場と比べれば時間、工数共に圧倒的に少ないです。補助金は短い期間に募集がされるのでいわばお祭りみたいなところがありますが、例えば4件でも採択されれば500万くらいの売上は余裕で達成できてしまいます。
実際に報酬が入るのは先ではあるものの、2ヶ月位の実働で500万というのは他の業務では考えられないでしょう。
業務を選ぶには市場の大きさや競合の多さ、市場の将来性にやりがいも大事ですが、工数と単価、そしてアップセル、クロスセルのしやすさなども総合的に考えると良いのではないかと思います。
そんな時間単価と利益率の高い業務についてより詳しく知りたい方はこちらを御覧ください
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