専門特化すべきかどうかはよく言われる論点といえます。
地方部では専門特化できるほど市場がないとか、ゼネラル型(全方位型)でも専門性は高いとか、論点が広がってしまうくらいに重要なポイントですが、僕自身で言えば専門特化は必須だと考えています。
専門特化の誤解
そもそも専門特化すべきかどうかの前に、この論点には大きな誤解があると思っているので、まずはその点を明らかにしたいと思います。
まず専門特化すると他の業務をやらないことになるから、特に地方だと全方位的にやっていないと市場がないという話があります。
そもそも一つに絞るのではなく、色々できたほうがいいという話もあります。
こここそが専門特化の誤解だと思いますが、専門特化すべきというのは、いろいろな業務はできるとしても、これは負けないという業務を作りましょうということです。
行政書士業務はとても幅が広い、それでいてそれぞれの業務はとても奥深い。
法改正も多いし、通達なども含めれば知識のアップデートは必須です。すべての業務に精通できるはずがない。そして学びも非効率になってしまうと考えています。
主要業務と言われるものを中心にある程度は広く業務経験を積みながら、この分野は特に強いといえる領域を作る。それがここで言う専門特化です。
専門特化すると他の業務依頼は来ないのか
そして専門特化すると他の業務の依頼が来ないのではないか?紹介を受けられないのではないかという話があります。
結論からいえば、専門特化をしたほうが紹介は増えます。そして違う業務の相談も来ます。
そもそもですが、行政書士という仕事は何ができるかをほとんど知られていません。
そして人の記憶というのはそこまで正確ではありません。
何も刺さらない、全方位的な行政書士が人の記憶に残るのは非常に難しいのです。
○○に強いというイメージが合ったほうが人の記憶に残ります。結果として紹介に繋がります。
そしてまず何かで突き抜け、覚えてもらえると他の業務の相談も来ます。
それが一点突破、全面展開という考え方です。
一点突破しやすい業務とは
一点突破し、そこから他の業務に広げていくにはどんな業務でもできるとは思いますが、より効果的なのは市場が大きいものといえるでしょう。
化粧品や医療法人、金商法関連などは競争相手が少ないのですが、市場もそれほど大きくありません。
一点突破してコンサルティングや顧問などの継続課金には繋げやすいと言えますが、ある程度の都市部でないとそもそもの数が少なく厳しいと思います。
その意味では会社設立や契約書業務は競争相手も多いですが、それに強い!という方は意外と少なく、市場が大きいので一点突破しやすいと言えます。
売上=単価✕販売数✕販売頻度
これでみても単価は上記は高い方でないですが、販売数、販売頻度について優位性がある業務です。
販売頻度というのはリピート含めアップセル、クロスセルのことを指しますが、会社設立で言えば会計記帳や創業融資などに繋げやすいですし、契約書も同様にお客様の幅が広いので許認可全般にも繋げやすいでしょう。
とはいえ、専門特化という以上は当然ですがその業務に精通している必要がありますので、一点突破全面展開をしていきたいという方はこちらの実務セミナーでしっかり基礎から実際の広げ方まで学ぶことをおすすめします。