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産業廃棄物のメリット・デメリットとは?

自分が行政書士になった2008年当時、産業廃棄物業務を専門にしている事務所が殆どありませんでした。

でも、自分はこの業務を専門にすることを決めました。それはなぜかを見ていきたいと思います。

産業廃棄物業務をやるべき理由

以前書いたこの記事を参考に産業廃棄物業務をやるべき理由を挙げていきます。

取り扱う行政書士業務の選び方

市場性について

廃棄物業界自体で見れば人口減少によってゴミが減ることを考えると市場縮小はしていくと考えられています。

それでも産業廃棄物業務の市場性は圧倒的に大きいと言えます。なぜでしょう?

そもそも産業廃棄物業務と一言で言っても、収集運搬業、積替え保管、中間処理、最終処分、優良事業者認定、公益認定、再生事業者登録、施設設置許可など本当に幅広い業務があります。

そして収集運搬業とはその名の通り、廃棄物を発生場所から処分場まで運ぶための許可ですが、廃棄物の発生する自治体と持って行き先の処分場がある自治体、それぞれ全ての許可が必要になります。

たとえば47都道府県すべての建設現場から廃棄物が出る場合には47都道府県すべての許可が必要なのです。

これは他の許可の多くが知事許可と大臣許可しかないことを考えると圧倒的に市場が大きいと言えるでしょう。

もちろん47都道府県で許可を持っている場合に、役員が変われば47全ての変更届が必要になりますのでこうして掛け算が発生する業務というのは非常に魅力的です。

業務の継続性と関連性

収取運搬業や中間処理業などは基本的に5年の更新、優良事業者認定をとってると7年ごとの更新になります。

が、車の入れ替えだったり、役員変更だったりもありえますし、設備の入れ替えなんかも定期的にありますので継続性は高いと言えます。

また、最初は収集運搬で1県のみという場合でも事業拡大に伴って他の県で許可をとったり、積替え保管や中間処理をはじめるかもしれません。そもそも建設業と一緒に産廃業をやる方もいますし、古物商などとも相性がいい業務ですので関連性が非常に高い業務といえます。

コンサルティング的な要素が強いので顧問契約とも相性がいいです。

許認可の管理から適正処理・業法に関する研修なども含めてコンサルティングや機械に代替されにくいのでその点でもオススメと言えます。

報酬単価と工数

報酬単価ですが、収集運搬業は平均すると1県あたり7万くらいが相場なのかなと思いますが、だんだん下がっているような気はしています。

他の許認可と同様オンライン申請に現状では対応しておりませんので、新規や更新、変更許可申請は実際に申請に行かねばなりません。

変更届は郵送も可能なので工数的には悪くないのですが、単価が下がるのに移動の工数がかかってしまうのは少し厳しいです。

しかしこの報酬は難易度が上がると一気に上がっていきます。積替え保管だと50万から、中間処理だと100万からは最低かかると思います。設備の数などによっては1000万オーバーも十分にありえますので、行政書士業務では高い部類と言えると思います。

が、やはり大事なのは工数です。中間処理場などの施設系の多くは都市部にはなく、工業地域内とか行きにくいところが圧倒的に多いですし、車移動がマストになってきますので移動時間が結構かかります。

何度も役所との調整も必要になりますので、工数はどうしてもかかってしまいます。

だからこそなんの業務でも同じですが安売りすると長い目で見ると悲惨な時給なんてことになりえます。

やりがい

僕は環境系行政書士になるとこの道を歩み続けているわけですが、それはこの業務にやりがいを感じているからです。

事業活動では廃棄物は出ます。生きているだけでゴミは増えていきます。

最近はプラスチックなども問題になっていますが、その社会問題に取り組んでいるのが廃棄物業界であり、我々行政書士は適正処理、リサイクルのお手伝いをすることで地球環境に貢献できると思っています。

特にこれからは技術革新が進み、リサイクルの方法も大きく変わる可能性があります。

そこで行政書士が活躍できる場所は非常に大きいと思いますのでぜひ一人でも多くの行政書士がこの分野に入ってきてくれればと思っています。

関連記事:産廃行政書士ネットワークを作ります

産業廃棄物業務のデメリットとは

ここまでやりがいについて見てきましたが、強豪があまり多くないのには理由があります。

一つは「グレーなイメージ」ではないでしょうか。

なんとなく怖そうとか危険そうとか思われますし、実際に歴史的に見たら反社会的勢力の関与がまったくなかったとは言えません。

ですが、普通に業務をやっていてそれらを感じることはまずありません。僕のように業界にどっぷり使っていてもないわけですからまず大丈夫でしょう。

次に見逃せないのが移動です。

これは悩ましい問題です。収集運搬業もそれぞれの申請自治体に直接持っていかなければなりません。これが非常に無駄なので上記の産廃行政書士ネットワークを作りました。

また、中間処理や施設系の許可も何度も現地に行く必要がありますし、移動の容易な都市部にはまずないので一日がかりの移動なんてことも珍しくないです。

単価は高いけどそれだけ工数がかかってしまうので、調査費など動いた文はしっかり計上していく事が必要になります。

産業廃棄物業務について学ぶには?

このようにマーケティング的な要素からも、単価の高さ、業務の連続性、拡張性、そしてコンサル的な要素の強さから言ってもとてもオススメな業務なのですが、競合が少ないというのはそれだけ業務の難易度も高いということが言えます。

単純に難しいからできない、だからできる人に仕事が集中するのです。特に施設系ではこれが顕著になります。

この点でも上記のネットワークを駆使して情報共有をしていきたいと思っていますが、もっと具体的に業務の革新を知りたいという方にはこちらのセミナーがおすすめです。

僕は行政書士で環境に貢献できる人を増やしたいと本気で思っています。

是非興味のある方はご参加くださいませ。

どんと来い!産業廃棄物業務セミナーの詳細はこちら

 

 

 

 

 

ABOUT US

石下 貴大行政書士の学校 校長
1978年栃木県生まれ。立教大学法学部卒業。 2008年に行政書士石下貴大事務所を銀座で開業。 2010年業務拡大につき行政書士法人GOALに組織変更。 産業廃棄物関係や建設業、古物商、運送業の許認可を専門に多数の実績をもち、単に手続きをするだけでなく、法令や制度の改正やコンプライアンス経営など許可取得後も成長していける身近な相談役であることを目指している。 趣味はサッカー。高校時代は栃木県優勝実績もあり、スピードと体力には自信あり。