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スペシャリストとゼネラリストはどう変わる?

これまで行政書士界に限らず、スペシャリストを目指すのか、ゼネラリストを目指すのか論は有りました。

職人を目指すのか、広く扱える事務所を目指すのか
専門特化事務所か、ワンストップ型事務所か。

仕事によってスペシャリストやゼネラリストの定義は変わりますが、行政書士業界で言えばスペシャリストは特定の業務についての専門家、ゼネラリストは広範囲な業務を扱える人、となるかと思います。これは個人に限らず、事務所単位としても当てはまると考えられていました。

しかし、コロナやテクノロジーによってこの2択でなくなりつつあります。

めざすべきは、プロデューサーか、テクノロジスト

リクルートワークス研究所が、2030年の働き方の未来を予測した「テクノロジーが日本の『働く』を変革するWork Model 2030」では、従来のゼネラリスト、スペシャリストとは異なる新たな4つのプロフェッショナル像の指針を提示しています。

4つのプロフェッショナルとは、専門性を「開発する」か「活用する」か、という軸と、対象エリアが「グローバル」か「ローカル」かという軸の掛け合わせからなります。

対象エリアについてはここでは割愛するとして(今後更に必要な視点ですが)、ここでは専門性開発型人材をテクノロジスト、専門性活用型人材のことをプロデューサーと定義付け、それぞれ以下のように考えています。

プロデューサーは事業目的のために、資金調達、事業投資、人材投資など、組織能力を最大化して、経営資源を効率的に活用し、その成果を「組織知」化していく人材。

テクノロジストは特定の専門性を狭く深く持った高度な専門職で、テクノロジーを生み出し活用して、仕事の付加価値を高める人材。

行政書士という資格の活用は多様化する

これまで行政書士は雇用が少なく、資格をとっても開業するか、使わないか、他士業事務所含めほぼない採用に賭けるかという選択肢くらいしかなかったと思います。

ですが、法人の数も増え、組織化する事務所が増えたことで、行政書士と言う資格の活用方法は多様化すると思っています。

開業するということは経営するということ。

しかし、資格をとった人がみな経営者に向いているわけもないし、代表者という選択肢以外にも職人として専門分野を極めていくとか、チームリーダーとして統括していくとか、経営面も見るマネージャーになるとか、場合によっては関連するような事業の責任者になったりとかです。

そうした流れの中でプロデューサーやテクノロジストというプロフェッショナル像が生まれてくるのだと思います。

これまでの行政書士事務所は前例踏襲型というかプロフェッショナルを目指すか、ゼネラリストを目指すのか、どちらの事務所形態で成長していくのかが主だったと思いますが、テクノロジーの発達や2極化による組織化という大きな波の中で、まずは戦略的に自分をプロデュースしていくのが大事なのだろうと考えています。

僕も以前は産廃業務のプロフェッショナルを目指し、そして人が増えてくる中でマネージャーとしての役割が増えてきて、今はより組織を成長させるためにプロデューサー的な役割、比重を大きくしています。

自分がなりたいプロフェッショナル像、行政書士像をしっかり見極めて、必要なことを地道に積み重ねて近づいていきたいですね。

 

ABOUT US

石下 貴大行政書士の学校 校長
1978年栃木県生まれ。立教大学法学部卒業。 2008年に行政書士石下貴大事務所を銀座で開業。 2010年業務拡大につき行政書士法人GOALに組織変更。 産業廃棄物関係や建設業、古物商、運送業の許認可を専門に多数の実績をもち、単に手続きをするだけでなく、法令や制度の改正やコンプライアンス経営など許可取得後も成長していける身近な相談役であることを目指している。 趣味はサッカー。高校時代は栃木県優勝実績もあり、スピードと体力には自信あり。