職人としてだけでなく

行政書士も行政手続きについての職人です。
国家資格ですし、その点においては非常に意識しています。

僕は両親も美容師で、おじいちゃんおばあちゃんも床屋。
いわば技術というか腕一本で勝負する家で育ちましたので、職人というものに非常に憧れと強い敬意を持っています。
自分も誰にも負けない分野をつくるべく、日々環境系行政書士という道を歩んでいます。
しかし、事務所経営という面を見れば職人だけではいけない。
職人としての能力とビジネスの能力は全く別だからです。

もちろん、我々は知識が、経験がサービス。
能力を向上させることがサービス価値の向上になり、お客様への価値の向上になります。
その想いでこの行政書士の学校は、ひたすらに実務にこだわっています。

しかし、その一方で、職人には落とし穴もあります。
職人としての仕事に追われるようになると、長期的なビジネスの視点がもてなくなり、集客やシステムつくりに時間がかけられず、ビジネスが先細りしてくるということ。
また、自分しかできないという点。

本来は、自分が必要とされるのではなく、作った商品や、事務所が必要とされていなければならない。
しかし、多くの場合は自分が必要とされていたいという欲求が満足感に変わってしまい、労働集約型に陥る。
結果忙しい割にたいして売り上げに反映されないということになるわけです。

職人によって運営されるビジネスは、自分がビジネスを管理しているのではなく、ビジネスに、日々の作業に自分が管理されています。
やらないといけない作業をこなすことで精一杯で、長期的な視点に立てずにループにはまってしまうのです。

スモールビジネスの大家であるマイケル・E・ガーバーはこの問題に対し職人としてだけなく、ビジネスを日々管理するマネージャー、長期的な視点を考える起業家としての役割、この3つの視点が必要と唱えています。
そのために目標を明確にし、そのために必要な数字、行動を明確にし、職人としての能力向上とあわせて、仕組みづくりに尽力する。

行政書士は専門職です。
能力向上は欠かせません。

ですが、それだけでは、いつまでも目の前のことに捉われ、気づけば抜け出せない穴にはまってしまいがちです。
どんなにいいサービスも、見つけてもらえなければ、必要な人に知ってもらえなければ、使ってもらうことはできません。自分しかそれが出来なくては、自分の動ける限界までしか価値を提供できません。

長期的な視点がなければ、それを達成するに足りる仕組みを構築できなければ、自分の描く未来を手にすることはできません。

職人として、マネージャーとして、起業家として、それぞれの役割の比率を同等に育てていく、それが大事なのではないかと思います。