行政書士の仕事がなくなる?
日経新聞によると9割以上の確率で我々行政書士の仕事はAIにより代替されると言われています。
では行政書士に未来はないのでしょうか?
AI時代の行政書士像とは
AIによる契約書の自動チェックサービスやドラフト作成、会社設立や変更手続きの自動化など、すでに多くのリーガルサービスがAIによって生み出されています。
とはいえ行政書士界隈で明確にAIを活用したサービスはおそらくはまだないと思っています。ビックデータを活用して自動化するビジネスモデルと許認可等の書類作成がそこまでマッチしないのではないかと考えています。
我々の業界で言えばまだRPAの方が驚異です。
「Robotic Process Automation /ロボティック・プロセス・オートメーション」の略語で、パソコンの中にあるソフトウェア型のロボットが代行・自動化する概念のことをいいますが、おおよその書類作成はこのRPAで代替できると考えています。
ただ、現状では座標軸がベース担っているので様式が統一的で変化がないということが前提になります。
そのため、産廃の収集運搬のように各都道府県で微妙に様式が違うのでRPAは導入しにくいとえいます。
とはいえ、デジタルファースト法案に基づき、手続のオンライン化や簡素化が進むと考えられますので、近い将来にRPAが手続き業務は席巻する可能性は高いと考えています。
AIやRPAはツールである
間違いなくテクノロジーの力で行政書士という仕事の在り方は変わる。
過去も代書していた時代からワープロ、そしてパソコンと小さくない変化を繰り返してきたけれど、これからの時代はさらなる大変革となると思っています。
しかし、仕事がなくなるかといえばそれはないのではないかとも考えています。(少なくても当分は)
なぜならAIやRPAはツールだからです。
使うのは人です。そして仕事とは人の「不」を解消するためにあるからです。
時代が代わり技術が進歩しても人の「不」は変わるだけでなくなりはしません。つまり時代に合わせた職業が起こり、そして既存の仕事も変わっていくでしょう。
そうした中で行政手続きと民間の間には仲介者であり通訳者である我々行政書士の役割があるのではないかと思います。
行政書士という仕事だけが変わるわけでなく、社会全体、世界自体が変わっていくのですから、その変化の中で自分たちの役割を再設定し、価値を創出していければいいのです。
前例踏襲型からの脱却
これまでは行政書士といえばこの10年ほどはいわゆる開業本の内容も対して変わりませんでした。
行政書士の「お仕事」と「正体」がよ~くわかる本[第2版]
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この本は2版を去年販売しましたが、1版を書いた6年前と変わった点はテクニカルな枝葉が多くて、主要な点はそのままでした。
つまり、これまでは前例踏襲でそれなりの結果を出すことができました。
しかし、これからはそれでは生き残れません。
なぜなら前例にない時代が来るからです。
周りの意見を聞きすぎてもそこに答えがない。
大切なのは起こるであろう未来について仮設を立て、準備をし、そして行動し続けることです。
自分の未来を作るのは今の自分の行動。
戦略的に自分がなるべき姿のために学び、実践するしかありません。
テック型とコンサルティング型
経営参謀としての士業戦略 AI時代に求められる仕事
1,500円
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この本にもありますが、これからの行政書士もコンサルティングができるようにしていく必要があると思います。
顧客の潜在的課題を明確化し、そして課題解決に伴走していく。つまり顧客の「不」を解消する。
ただ、明確にするだけでなく、成果をだすための提案ができる必要もありますので、自分のコンテンツを強化していく必要があります。
また、リーガルテックやガブテックといわれるような法的知見や行政手続きをテクノロジーで新たな領域のサービスを作り出すというのも一つの道でしょう。
例えば業界特化型の電子契約.
行政書士が強い領域で、その知識や経験をテクノロジーに落とし込めれば強い武器になるでしょう。
行政書士がエンジニアなどと組んで新しいサービスをローンチしていくことは今後更に増えると思います。
これらのように、単に手続きというだけでなく、行政手続きの専門家としての知識を武器に、新しいサービスを作っていくということは全体的な流れとしては主流になるだろうと思っています。
もしかしたらこれから開業される方のほうが、既存の考え方に染まっていない分チャンスが大きいと言えるかもしれません。
過去も今もこれからも、「情報の価値」は変わりません。
情報にあふれているからこそ、自分が手に入れる情報の質で人生が変わります。
このメディアも行政書士業界の活性化のために良い情報のもととなれるよう精進していきます。
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